現在日本には、約60万人のアルツハイマー病患者がいるとされています。80歳以上になると5人に1人がかかる割合の身近で大変な病気です。近頃は 40歳代で発祥する若年性アルツハイマー病が増えているそうです。若年性アルツハイマー病はほとんどの場合遺伝によるものが多いといわれています。
アルツハイマー病は、正常なら分解されるはずのたんぱく質が脳に沈着して固まり神経をおかすと考えられています。残念ながらアルツハイマー病の治療方法は、見つかっていません。これから高齢化が進むにつれ早期治療法の発見が望まれます。
2001年「アルツハイマーの病変たんぱく質、銅イオン投与で抑制」という記事が日本経済新聞に掲載されました。甲南大学の杉本己教授は、アルツハイマー病の際に脳内に沈着するたんぱく質に銅イオンを混入すると、銅とたんぱく質のアミノ酸の一部が結合してたんぱく質の増加を抑制する事を実験で確認したそうです。治療法として人間の体内に銅を投入することは難しいそうで、この原理を応用した医療品をつくるのに役立つのではないかと話題になりました。
杉本教授はこの実験にについてコメントしています。
「もともとDNAやRNAに金属イオンがどのような影響をあたえるかかを考察する一環で、たんぱく質の構造変化もみてみよう今回の事件がはじまりました。そこで、たんぱく質に反応する蛍光体の発光強度を調べる方法で確かめました。すると、銅イオンの銅イオンのない場合たんぱく質の沈殿が起こって繊維状のものがでます。それに比べ銅イオンが最初からあった場合、これがほとんど生まれていない。そこで銅イオンがアルツハイマー病のたんぱく質を回復というか、構造を逆向きに戻すことが可能だということをみつけだしました。」
さらに実験の結果、たんぱく質の沈着が進み、生成量が増えたあと、銅イオンを投与すると、発光強度が大幅に下がることも確認されたすです。
この研究ははじまったばかりであくまでも試験管の中でのことで、実際に体内に適用したときの効果は、未知数だそうです。しかし、銅イオンのたんぱく質への抑制効果は、アルツハイマー病だけでなく、BSE、クロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病にもうまく働くことが確認されているそうです。
銅イオンがたんぱく質の構造変化に影響することがわかったので、今後、医療の分野での銅の活躍に期待をしましょう。
参考資料 くらしの活銅学 (社)日本銅センター



